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Wordでアンケート結果のレポートを作る

アンケートの集計結果を例に、読み手が「何を調べ、何が分かり、そこから何を考えたか」を追えるレポートをMicrosoft Wordで作ります。

実習「アンケートの取り方」の全体像を確認する / ステップ4

目的と方法表・グラフ結果考察・結論PDF提出

1. 完成形と必要な材料を確認する

例として、100人に生活習慣について5問以上を尋ねた結果をレポートにまとめます。先生から書式やページ数の指定がある場合は、その指示を優先してください。

課題の必須条件

必須15問以上を集計する

アンケートで用意した最低5問をすべて集計します。

必須2各質問のグラフを載せる

質問ごとに内容に合うグラフを1つ以上作り、最低5個のグラフをレポートへ載せます。

必須3最低1つクロス集計する

異なる2問を組み合わせたクロス集計表を最低1つ作り、違いや傾向を説明します。

発展(任意)独立性の検定を行う

クロス集計した2問に関連があるかを検定し、χ²値・自由度・p値・判定を載せます。

グラフ5個+クロス集計1個が最低条件

1つの質問について複数のグラフを作っても、5問を集計したことにはなりません。5つの異なる質問をそれぞれグラフにしてください。

情報Ⅰ アンケート調査レポート

高校生の朝食習慣について

1年A組00番 情報 太郎

1. 調査の目的

高校生が朝食をどの程度食べているかを明らかにする。

2. 調査方法

項目記載例
調査目的高校生が朝食をどの程度食べているかを明らかにする。
対象校内の生徒100人
期間2026年7月1日〜7月7日
方法Microsoft Formsによる無記名のオンラインアンケート
有効回答数100件
質問項目学年、朝食の頻度、睡眠時間、通学手段、学校生活の満足度の5問を尋ねた。

3. 各質問の集計結果

質問2:朝食を食べる頻度

朝食を食べる頻度(n=100)

「毎日」が42人で最も多く、「ほとんどない」は26人だった。

4. クロス集計の結果

学年\朝食毎日ときどきほとんどない合計
1年1810735
2年1412834
3年10101131
合計423226100

学年と朝食を食べる頻度のクロス集計(人)

クロス集計表より、「毎日」の割合は1年生51.4%、2年生41.2%、3年生32.3%で、学年が上がるほど低くなっていた。

発展(任意):独立性の検定
独立性の検定を行った結果、5%水準で学年と朝食の頻度に有意な関連は認められなかった(χ²(4) = 3.33, p = .504)。

5. 考察

毎日食べる人が最も多い一方、毎日ではない人は合計58人いた。クロス集計では学年による割合の違いが見られたが、独立性の検定では有意な関連は認められなかった。ただし、これは2問が完全に無関係だと証明されたという意味ではなく、対象や回答数を増やして確かめる必要がある。

6. 結論

今回の調査では、朝食を毎日食べる生徒は42%で、毎日食べない生徒の合計より少なかった。また、学年と朝食の頻度に統計的に有意な関連は確認できなかった。

上の完成例は、5問分のうち「朝食を食べる頻度」のグラフと、学年とのクロス集計だけを抜き出したものです。実際の提出物には、残り4問以上のグラフも続けて載せます。

Wordで作るもの

タイトル、調査方法、結果、考察、結論、出典

Excelから使うもの

5問以上の集計表とグラフ、最低1つのクロス集計表、回答者数

集計がまだの場合は、先にFormsの回答をExcelで集計してグラフを作るを進めてください。

2. Word文書の基本設定をする

  1. Wordで[白紙の文書]を作成します。
  2. [レイアウト]→[サイズ]→[A4]を選びます。
  3. [レイアウト]→[余白]→[標準]を選びます。
  4. 本文のフォントと文字サイズを決めます。例として、本文は10.5〜11ポイント程度にそろえます。
  5. [ファイル]→[名前を付けて保存]で、先にファイル名を付けます。
ファイル名の例

1A00_情報太郎_朝食アンケート.docx のように、学年・組・番号・氏名・内容が分かる名前にします。

3. タイトルと見出しを作る

最初に文章の骨組みを作ると、書く内容が混ざりません。次の順に見出しを入力します。

  1. 調査の目的
  2. 調査方法
  3. 各質問の集計結果
  4. クロス集計の結果
  5. 考察
  6. 結論
  1. 文書の先頭に、内容が具体的に分かるタイトルを書きます。
  2. タイトルの下に、学年・組・番号・氏名を書きます。
  3. 各章の見出しを選択し、[ホーム]→[スタイル]→[見出し1]を適用します。
  4. 小見出しが必要なら[見出し2]を使います。
見出しを空白や文字サイズだけで作らない

見出しスタイルを使うと、文書全体のデザインをまとめて変更でき、長いレポートでは目次も自動作成できます。

4. 調査方法を書く

結果を正しく判断できるよう、調査条件を具体的に書きます。ここではWordの表の基本操作を練習するため、調査方法を2列の表にまとめます。

調査方法を表にまとめる

  1. 「調査方法」の見出しの下をクリックします。
  2. [挿入]→[表]を選び、グリッド上で2列×7行を選択します。
  3. 1行目に「項目」「記載例」と入力します。2行目以降の左列に「調査目的、対象、期間、方法、有効回答数、質問項目」、右列にそれぞれの内容を入力します。Tabキーを押すと次のセルへ移動できます。
  4. 表の1行目と左列を選択し、[テーブル デザイン]→[網かけ]から薄い色を選びます。
  5. 表全体を選択し、[テーブル デザイン]→[罫線]で、外枠と内側の罫線を設定します。
  6. 外枠を少し太くする場合は、線の太さを選んでから[外枠]へ適用します。内側は細い実線にすると読みやすくなります。
  7. 列の境界にマウスポインターを合わせ、左右へドラッグして列幅を調整します。左列を狭く、説明を書く右列を広くします。
  8. 数値で幅をそろえる場合は、セルを選択して[テーブル レイアウト]→[セルのサイズ]→[幅]を使います。
  9. 表全体をページ幅へ合わせる場合は、[テーブル レイアウト]→[自動調整]→[ウィンドウ サイズに合わせる]を選びます。
表のタブが表示されない場合

表の中をクリックすると、リボンに[テーブル デザイン]と[テーブル レイアウト]が表示されます。簡略化されたリボンでは[テーブル]にまとめられる場合があります。

項目記載例
調査目的高校生が朝食をどの程度食べているかを明らかにする。
対象校内の生徒100人
期間2026年7月1日〜7月7日
方法Microsoft Formsによる無記名のオンラインアンケート
有効回答数100件
質問項目学年、朝食の頻度、睡眠時間、通学手段、学校生活の満足度の5問を尋ねた。
セルの塗りつぶし

見出し行と左列を薄い色にし、項目名と内容の違いを示します。文字が読みにくくなる濃い色は避けます。

罫線

外枠と内側を区別します。線を太くしすぎたり、色を増やしすぎたりしないようにします。

列幅

短い項目名の列を狭く、文章が入る列を広くします。表がページの外へはみ出さないようにします。

文字の配置

項目名は必要に応じて太字にし、本文は左揃えにします。上下中央にすると行の高さが変わっても整って見えます。

文章例

高校生の朝食習慣を調べるため、2026年7月1日から7日まで、校内の生徒を対象にMicrosoft Formsで無記名調査を行った。有効回答は100件だった。

5. Excelの集計表を入れる

  1. Excelで、選択肢と人数をまとめた集計表を開きます。
  2. レポートに必要な範囲だけを選択し、CtrlCでコピーします。総計を載せるかは内容に合わせて決めます。
  3. Wordの「結果」の位置をクリックし、CtrlVで貼り付けます。
  4. 表を選択し、[テーブル デザイン]で見出し行が分かる書式を選びます。
  5. 人数は右揃え、項目名は左揃えにし、単位を見出しへ入れます。
回答者の一覧表を貼らない

レポートには集計済みの表だけを載せます。氏名、メールアドレス、自由記述などの個人情報を含む元データは貼り付けません。

6. Excelのグラフを入れる

アンケートの各質問について、1つ以上のグラフを作ります。5問のアンケートなら最低5個のグラフが必要です。質問番号とグラフ番号を対応させると、抜けを確認しやすくなります。

質問グラフ例題名例
質問1:学年学年別人数の棒グラフ学年別の回答者数
質問2:朝食の頻度頻度別人数の棒グラフ朝食を食べる頻度
質問3:睡眠時間睡眠時間のヒストグラム回答者の睡眠時間
質問4:通学手段通学手段別人数の棒グラフ回答者の通学手段
質問5:学校生活の満足度満足度別人数の棒グラフ学校生活の満足度
  1. Excelで質問1のグラフを選択し、CtrlCでコピーします。
  2. Wordの「結果」の位置をクリックします。
  3. [ホーム]→[貼り付け]の▼を開き、目的に合う形式を選びます。
  4. グラフを選択し、[レイアウト オプション]→[行内]にすると、本文と一緒に移動しやすくなります。
  5. グラフの角をドラッグし、縦横比を保ったままページ幅へ収めます。
  6. 質問2以降も同じ操作を繰り返し、用意したすべての質問のグラフを貼り付けます。

貼り付け方を選ぶ

貼り付け方特徴向いている場面
図として貼り付け表示が崩れにくく、内容が固定される。完成した提出用レポート。基本はこれがおすすめ。
埋め込みWord内でグラフのデータを編集できるが、ファイルが大きくなりやすい。Word側でも数値を編集したい場合。
リンク貼り付け元のExcelを更新すると反映できるが、ファイルを移動するとリンクが切れることがある。集計途中で数値が更新される文書。
グラフを引き伸ばさない

左右または上下だけをドラッグすると、文字や棒の形が変わります。四隅のハンドルを使って拡大・縮小します。

7. 最低1つクロス集計する

単純集計は質問を1問ずつ見ます。クロス集計では「学年と朝食の頻度」のように異なる2問を組み合わせ、グループによる回答傾向の違いを調べます。

  1. 組み合わせる2問を決めます。どちらも選択肢で分類できる質問を選ぶと集計しやすくなります。
  2. Excelで回答表の中を選択し、[挿入]→[ピボットテーブル]を選びます。
  3. 質問1を[行]、質問2を[列]へ配置します。
  4. 行または列に使った質問のどちらかを[値]にも配置し、集計方法を[個数]にします。
  5. 行・列の合計が有効回答数と一致するか確認します。
  6. 完成したクロス集計表をWordへ貼り付け、何を組み合わせた表か分かる題名と人数の単位を付けます。
フィルター使用しない
朝食の頻度
学年
学年(個数)
学年\朝食毎日ときどきほとんどない合計
1年1810735
2年1412834
3年10101131
合計423226100
クロス集計の説明例

学年と朝食の頻度のクロス集計では、朝食を「毎日」食べる人数は1年生が18人で最も多かった。ただし、学年ごとの回答者数が異なるため、詳しく比較する場合は人数だけでなく学年内の割合も確認する必要がある。

発展(任意):独立性の検定結果を載せる

クロス集計で見えた違いが偶然のばらつきと考えられるかまで調べたい場合は、独立性の検定を行います。この部分は任意課題です。

  1. Excelのクロス集計表を、行・列の見出しと総計を含めてコピーします。
  2. クロス集計と独立性の検定を開き、表を貼り付けて検定します。
  3. 表示されたχ²値、自由度、p値と、5%水準での判定を記録します。
  4. 期待度数に関する警告が出た場合は、その注意もレポートへ書きます。
  5. クロス集計表の直後または考察に、検定結果を決められた形式で記載します。
p < .05 の記載例

独立性の検定を行った結果、5%水準で2問に有意な関連が認められた(χ²(自由度) = χ²値, p = p値)。

p ≥ .05 の記載例

独立性の検定を行った結果、5%水準で2問に有意な関連は認められなかった(χ²(自由度) = χ²値, p = p値)。

「関連なし」と断定しない

p値が.05以上でも、「2問が独立だと証明された」とは書きません。「今回のデータからは有意な関連は認められなかった」と表現します。また、有意な関連があっても因果関係を示すものではありません。

8. 結果を書く

結果では、表やグラフから直接読み取れる事実を書きます。用意したすべての質問のグラフについて説明を書き、最後にクロス集計から読み取れる違いを説明します。すべての数字を並べるのではなく、最も多い項目、少ない項目、目立つ差を取り上げます。

伝わる書き方

朝食を食べる頻度のグラフでは、「毎日」が42人で最も多く、次いで「ときどき」が32人、「ほとんどない」が26人だった。「毎日」と「ほとんどない」の差は16人だった。

避けたい書き方

グラフを見ると、毎日食べる人が多かった。いろいろな人がいることが分かった。

  • 用意したすべての質問について、グラフと結果の説明がある。
  • 最低1つのクロス集計について、比較した2問と読み取れる傾向を書く。
  • 独立性の検定を行った場合は、χ²値、自由度、p値、判定を正確に書く。
  • グラフや表の題名を使って、どの資料を説明しているか示す。
  • 人数と割合を混同せず、必要なら単位を書く。
  • 複数回答の場合は、割合の合計が100%を超えることを明記する。
  • 結果の段階では、理由や感想を決めつけない。

9. 考察と結論を書く

考察では、結果から考えられる意味、予想との違い、調査の限界、次に調べたいことを書きます。根拠にした数値や図表を示し、結果だけでは証明できないことを区別します。

結果の意味

どの傾向が重要か。なぜ注目したか。

予想との比較

調査前の予想と同じだったか、違ったか。

調査の限界

対象人数、対象範囲、質問方法に偏りはないか。

次の調査

理由や関連を調べるには、何を追加で尋ねるか。

考察例

「毎日」と回答した人が42人で最も多かったが、毎日ではない人は「ときどき」と「ほとんどない」を合わせて58人だった。このことから、朝食を毎日の習慣にできていない生徒も少なくないと考えられる。ただし、今回の質問では食べない理由を尋ねていないため、時間不足や食欲の有無が原因とは断定できない。次回は理由を尋ねる質問を追加したい。

結論例

今回の調査では、朝食を毎日食べる人が最も多かった一方、毎日ではない人が全体の58%を占めた。朝食習慣を詳しく理解するには、頻度だけでなく、その理由も調べる必要がある。

10. 読みやすく仕上げる

  • 配置:本文、表、グラフの左端や中央位置をそろえる。
  • 余白:図表の前後に適度な空きを設け、情報を詰め込みすぎない。
  • 統一:同じ役割の見出し、本文、表やグラフの題名は同じ書式にする。
  • 強調:色や太字は重要な箇所だけに使い、装飾を増やしすぎない。
  • 改ページ:見出しだけがページ末尾に残らないよう位置を調整する。
  • ページ番号:必要なら[挿入]→[ページ番号]から追加する。
空白キーで位置を合わせない

文字の位置は、中央揃え、段落のインデント、表の列幅などで調整します。空白を連続入力すると、環境や修正によって配置が崩れます。

11. 個人情報と引用を確認する

  • 回答者の氏名、メールアドレス、回答時刻などを載せていない。
  • 少人数の組み合わせから個人を推測できる集計になっていない。
  • 自由記述を引用する場合は、個人が分かる表現を削除し、必要な許可を確認している。
  • 外部の文章、画像、統計を使った場合は、作成者、資料名、公開年、URL、閲覧日などを記録している。
  • 自分で実施した調査には、調査名と実施時期を記載している。

12. PDFにして提出する

  1. [ファイル]→[印刷]でプレビューし、図表や見出しが切れていないか確認します。
  2. Word形式のファイルを上書き保存します。
  3. [ファイル]→[名前を付けて保存]または[エクスポート]を選び、ファイル形式をPDFにします。
  4. 作成したPDFを開き、ページ数、文字化け、グラフの鮮明さを確認します。
  5. 指定された提出場所へ、WordファイルまたはPDFを提出します。
元のExcelも保存する

レポートの根拠となる集計表とグラフを後から確認できるよう、Word・PDF・Excelを同じフォルダーに整理しておきます。

提出前チェックリスト