学年、部活動、はい/いいえなど。人数や割合を集計しやすい。
Microsoft Formsでアンケートを作る
学校生活についてのアンケートを例に、質問の設計から回答の収集までを順番に進めます。
実習「アンケートの取り方」の全体像を確認する / ステップ1
回答者が迷わず答えられ、あとでExcelに取り込んで集計しやすいフォームを作る。
1. Microsoft Formsとは
Microsoft Formsは、Webブラウザーでアンケート、投票、クイズを作成し、回答を集められるMicrosoft 365のサービスです。集まった回答はForms上で確認でき、Excelへ取り込んで詳しく分析できます。
授業では、先生から指定されたMicrosoft 365の学校アカウントでサインインしてください。利用できる共有設定は、アカウントや学校の管理設定によって異なります。
2. 作る前にアンケートを設計する
最初に「何を明らかにしたいか」を1文で決めます。目的が曖昧なまま質問を増やすと、回答者の負担が増え、分析もしにくくなります。
高校生の朝食習慣と、所属する部活動に関連があるかを調べる。
| 質問 | 質問形式 | 分析での役割 |
|---|---|---|
| 学年 | 選択肢 | 回答者の属性を分ける |
| 所属する部活動 | 選択肢 | 比較する項目 |
| 朝食を食べる頻度 | 選択肢 | 比較する項目 |
| 理由や意見 | テキスト | 数値だけでは分からない背景を知る |
氏名、メールアドレス、住所などは、調査目的に必要な場合だけ集めます。回答の組み合わせから個人を特定できないかも確認してください。
3. 新しいフォームを作る
- forms.office.comを開いてサインインします。
- [新しいフォーム]を選びます。採点する問題を作る場合は[新しいクイズ]ですが、アンケートでは[新しいフォーム]を使います。
- 上部の「無題のフォーム」を選び、タイトルと説明を入力します。
- 説明には、調査目的、回答期限、所要時間、回答の利用方法を書きます。
学校生活について調べる授業用アンケートです。回答時間は約2分です。結果は統計的に集計し、個人が分かる形では公表しません。
4. 質問を追加する
[新規追加]を選び、質問形式を選択します。質問文と選択肢を入力し、必ず答えてほしい質問は[必須]をオンにします。
質問形式の選び方
理由や感想などの自由記述。表記がばらつくため、そのまま集計するのは難しい。
満足度などを段階で答える。星または数値の尺度を使う。
行事日や利用日など、日付を答える。
複数の項目を希望順に並べる。
複数の文について「そう思う」など同じ尺度で答える。
尺度水準を意識する
回答データは、値が持つ意味によって4つの尺度水準に分けられます。尺度水準によって、適切な集計方法やグラフが変わるため、フォームを作る段階で確認します。
| 尺度水準 | 値が表すもの | Formsでの質問例 | 主な集計・グラフ |
|---|---|---|---|
| 名義尺度 | 種類を区別する。順番には意味がない。 | 所属する部活動、通学手段、はい/いいえ | 人数、割合、最頻値、棒グラフ・円グラフ |
| 順序尺度 | 種類と順番に意味があるが、隣り合う差が同じとは限らない。 | 満足度1〜5、朝食の頻度、希望順位 | 人数、割合、中央値、順序を保った棒グラフ |
| 間隔尺度 | 値の差に意味があるが、「0」が量の不存在を表すとは限らない。 | 気温(℃)、時刻、暦年 | 平均値、標準偏差、ヒストグラム・折れ線グラフ |
| 比例尺度 | 値の差に加えて、意味のある「0」があり、何倍かも比較できる。 | 学習時間、睡眠時間、冊数、身長 | 平均値、標準偏差、ヒストグラム・散布図 |
「1=運動部、2=文化部」の数字は分類用の記号なので名義尺度です。また、1〜5の満足度は数字の差が常に等しいとは限らないため、1つの質問だけを見ると基本的には順序尺度として扱います。
「部活動ごとの人数を比べたい」なら名義尺度の[選択肢]、「学習時間の分布や平均を調べたい」なら比例尺度になるよう、単位を明記した数値回答を使います。先に分析方法を考えると、必要な尺度水準を決めやすくなります。
集計しやすい質問にする
- 1つの質問では1つのことだけを尋ねる。
- 選択肢が重ならず、回答者の多くを含められるようにする。
- 「その他」が必要か検討する。
- 「よく」「ときどき」ではなく、「週5日以上」のように基準を明確にする。
- 分析に使う質問は、表記がそろう[選択肢]を基本にする。
[複数回答]をオンにすると、1人が複数の選択肢を選べます。単一回答の人数集計やクロス集計とは処理が異なります。結果はFormsの集計画面で確認するか、複数回答の集計ツールでExcel用の表へ変換できます。
5. 回答の設定を確認する
画面右上の[設定]を開き、目的に合わせて確認します。
| 設定 | 確認すること |
|---|---|
| 回答できるユーザー | 学校内だけか、リンクを知る全員か。外部公開は先生の指示に従う。 |
| 名前を記録 | 匿名調査ならオフ。個人を識別する必要がある場合だけオン。 |
| 1人につき1つの回答 | 重複回答を防ぐ必要があるか。 |
| 回答を受け付ける | 調査開始前や締切後はオフにする。 |
| 開始日・終了日 | 回答期間を自動で制限するか。 |
| 質問をシャッフル | 質問順に意味がある場合は使わない。 |
6. プレビューでテストする
- 右上の[プレビュー]を選びます。
- [コンピューター]と[モバイル]の両方で表示を確認します。
- 回答者になったつもりで、実際に1件送信します。
- 質問の意味、必須設定、選択肢、送信後のメッセージを確認します。
作成者には分かりやすい質問でも、初めて読む人には意味が違って見えることがあります。友人や先生にテスト回答を依頼しましょう。
7. 回答を集める
- 右上の[応答の収集]を選びます。
- 回答できるユーザーの範囲をもう一度確認します。
- 配布方法を選びます。
- リンク:URLをコピーしてTeams、メール、学習支援システムなどで配布
- QRコード:教室で投影したり、印刷物に載せたりする
- Outlook/Teams:宛先を指定して送信
- 埋め込み:Webページ内にフォームを表示
「リンクを知っている全員」が回答できる設定では、転送された相手も回答できます。公開範囲と収集する情報を必ず確認してください。
8. 回答を確認する
フォーム上部の[応答の表示]タブを開くと、回答数、各質問の概要、個別の回答を確認できます。回答を編集・分析したい場合は[Excelで開く]を使います。
9. 公開前チェックリスト
- 調査目的が説明されている
- 不要な個人情報を尋ねていない
- 質問と選択肢が重複・不足していない
- 必須にする質問を確認した
- 回答者の範囲と回答期限を確認した
- PCとスマートフォンでテスト回答した
- テスト回答が[応答の表示]に届いた